チャック・ナイス

チャック・ナイス: 技術がもたらす予期せぬ結果を笑う

技術は我々の役に立つものであるべきです。しかし、そうならなかったら?コメディアンのチャック・ナイスは、技術の進歩と人間の相互作用によって起こる意図せぬ結果を愉快な事例を通して探っていきます。

Translated by Tomoyuki Suzuki
Reviewed by Yasushi Aoki

未来の技術では いつだって 2つのことが同時にやってきます 明るい希望と意図せぬ結果です 僕が探ってみたいのは そういった結果なんです 未来の技術の影響について語る前に まずは 近年の技術が どんな意図せぬ結果を招いたか ちょっと見てみましょう 特にソーシャルメディアについて ソーシャルメディアは ほんの数年前までは 「未来の自分」の姿を示すものとされていましたが 今や「自分」だけになりました ソーシャルメディアは 想像もできない方法で 人々を結び付けるだろうと 思われていましたが その通りでした この3人の娘さんは お互いに会話をしています 互いに目を合わせる 気まずさなしに

(笑)

これこそ進歩というものです

経験したことがないような仕組みの コミュニケーションの津波に 圧倒されるのではと 思われていましたが まさに そうなったのです これもまたしかり

(セサミストリートの歌) 1つだけ違うのどーれだ?

写真をよく見てください 本を持っている人だと 思った人は違います どこかの大統領なら 「ちがーう」と言うところでしょう

(笑)

3人は何か読んでいるけれど 端っこの1人だけは 音楽を聴きながら 『キャンディクラッシュ』で遊んでいます

(笑)

人々の繋がりが深まったのか それとも デバイスに 接続しているだけなのか? ソーシャルメディアは 刺激的なアイデアや議論を交わすための 町の広場のような場所に なるはずでした 代わりに我々が手にしたのは インターネットトロール(荒らし)です これは私が実際に 受け取ったツイートです 「チャック お前の愚かで無知な 政治観を聞きたい奴なんていねーよ! らい病にでもかかって 死ねばいいのに 愛する父より」

(笑)

でもこのツイート よく見ると ケッサクです 大概のトロール同様 そう悪くありません だって「leprosy」(らい病)の綴りを 「leporsy」って間違えています 「leporsy」なんて 全然怖くありません

(笑)

(拍手)

10代の若者を苛む新たな手法は トロールだけではありません ネットいじめもあります 私の75才の母には 理解しかねるものです

「その子は殴られたのかい?」

「ママ 違うよ 殴られてはいないよ」

「じゃあ お金を取られたの?」

「違う お金は取られていない」

「便器に顔を突っ込まれたのかい?」

「違うよ そんなこと…」

「じゃあ 何をしたんだい」

「ネット上で攻撃してきたんだよ」

「ネット上で攻撃?」

(笑)

「じゃあ ネットを 切りゃいいじゃない?」

(笑)

「根性のない世代だねえ」

(笑)

ごもっともです

(笑)

まったくもって ごもっとも

ソーシャルメディアがデートを どう変えてしまったかには言葉もありません 「Grindr」(ゲイ向けチャット)は サンドイッチのアプリとばかり思っていました

(笑)

「Tinder」(出会いサイト)についても 話したくはありませんが 1つだけ指摘しておきましょう 地球上で持てる一夜限りの関係に 限りがあると思っているなら 見当違いもいいところです

(笑)

さて 将来の技術はどうなるのでしょう? では 人気のトピックに話を進めましょう 無人運転車です そんなのは コンピューターの助けなしに 我々はずっと前から やってましたけどね

(笑)

(拍手) だって 昔からやってたでしょう 運転中にメッセージ送ったり メークしたり 髭剃ったり、読んだり ― 読書したり ― 僕のことですが

(笑)

でも 無人運転車の カーシェアリングにより みんな車を持たなくなるでしょう そしたら陸運局なんか不要になります 「陸運局」と聞いて 皆さん こう思ってますね 「このスピーカーが この場で声を上げて 陸運局を擁護するわけがない」 皆さんはどうか知りませんが 僕はこんな世界はお断りです どぎつい蛍光灯の光に 長蛇の列 面倒な提出書類 不満だらけで人間味のない 役人たちを見て思います ここで働くことにならず 本当にラッキーだったと

(笑)

それこそが 彼らが提供する サービスなんです 陸運局 ― 免許の更新のために訪れ 良い人生の選択をしたことを 心ゆくまで満喫してください

(笑)

将来 誰も車を持たなくなるでしょう それはつまり 10代の若者たちが いちゃつく場所を失うということです そうすると どうなるでしょう? 若者たちは その目的で 無人運転車を呼ぶことでしょう 車に乗って こんな疑問を 持ちたくはありません 「何でこの車には 気まずさ、失敗 羞恥の空気が漂っているんだろう?」

(笑)

そんな疑問を抱くのは 自分の寝室だけで十分です

(笑)

他に我々が待ち望むものは 何でしょう? そのとおり 人工知能 人・工・知・能です 人工知能が冗談のネタに されていた時代もありました カクテルパーティーで 耳にする文字通りの皮肉として 誰かがこんなことを 言い出したものでした 「人工知能だって そんなの国会と一緒で 知性なんてかけらもない ハッハッハッハッハッ」 もはや 冗談になりません!

(笑)

スティーヴン・ホーキング イーロン・マスク、ビル・ゲイツは皆 人工知能には重大な懸念があると 公式に述べています これって キリストと モーセと ムハンマドが そろって こう言うようなものです 「おい 君たち オレ達がみんな信じていることがあるんだ」

(笑)

真剣に聞いた方が いいんじゃないかってことです 人間は 機械に 思考の仕方や 人間の振る舞いを理解する方法 自己防御法や 騙し方さえ 学習させていますが 別にまずいことなんてないよね?

(笑)

一つ明らかなことがあります 創造物はいつだって 創造主を嫌うということです そうでしょ? ティタン族は神々に逆らい ルシファーはヤハウェに逆らいます 10代のお子さんがいれば こう言われたことがあるでしょう 「大嫌い 私の人生台無しよ もうたくさん!」 機械にそう言われるところを 想像してみてください 人間を超える知力を持ち しかも重武装した相手に

(笑)

その結末は? もちろんこのとおり

(笑)

完全な人工知能を作り上げる前に 完全な人工感情を 作らなければなりません ロボットや機械に 人間を無条件に愛するよう 教え込むんです そうすれば すべての元凶は人間だと 機械が気付いてしまっても 人間を抹殺するのではなく ― それは筋の通ったこと ではありますが ― 人間を可愛いと思うことでしょう

(笑)

赤ちゃんのウンチのように

(笑)

「ああ この子の地球を破壊する様の なんて素敵なこと! こんなに可愛いと 怒れないわよね カワイイ〜!」

(笑)

こんな話には ロボット工学の議論が 欠かせませんよね? ロボット工学がかっこいいと 思っていたのを覚えていますか? 僕はそう思っていました 配達員から心臓外科医まで 職をみんな奪われそうだと 気付くまでは でもロボット工学には ひとつ大いに不満があるんです 肝心なものが まだ実現されていない ということです ロボットのガールフレンドのことです 窓のない地下室で 孤独でいるオタクの夢とは いつか 自らの創造物を嫁にする ということです でも現実には そのようなものの開発を 阻止しようという動きがあります 性的搾取の懸念からです 個人的には 好ましくない動きだと思います みんなロボットのガールフレンドを 持てるべきです ただ ロボットのガールフレンドは フェミニストの基準と 人工知能を備えているべきでしょう 男を一目みて こう言えるように 「私はあなたには もったいないわね さようなら」

(笑)

(拍手)

最後に 生体工学についても お話しする必要があります 発症する前に病気をなくせると 期待されている科学分野で 長生きし 満足で健康的な 人生をもたらします これに体内に埋め込み可能な ハードウェアが組み合わさると 人類進化の次なる姿が 見えてきます どれも素晴らしいって 思えるんですけど それも どこへ向かっているのか 理解するまでのことです 一例として (遺伝子操作された)デザイナーベビー 地球上のどこで生まれようと 民族にかかわらず 赤ん坊はみんな こんな姿で生まれてくるんです

(笑)

この坊やが驚いているのは 両親が共に黒人だからです

(笑)

カクテルパーティにいる 20年後の彼を想像して下さい 「僕の両親は黒人なんだ 時に気が引ける時もあるけどね でも僕の信用格付け見てよ すごい すごいんだぜ」

(笑)

恐ろしげなことばかりです でも この会場にいる人たちは そうじゃないってご存知でしょう 技術が恐ろしいのではありません これまでも 違ったし 未来にも そうなりません 恐ろしいのは 我々人間であり 技術を利用して 我々が行うことです 技術によって我々は 人間性を表に出し 真の姿を現して 兄弟の番人たることを 示すのか それとも 心の深部に潜む 最も暗い魔性を さらけ出すことになるのか?

真の問題は 技術が恐ろしいか どうかではありません 真の問題は 我々が どれほど人間的かということです 我々が どれほど人間的かということです

ありがとう

(拍手)